Web制作会社の選び方:2026年版 選定基準ガイド

ルカム・ジョスラン

ルカム・ジョスラン

代表取締役、Utsubo株式会社

2026年2月14日·13分で読めます
Web制作会社の選び方:2026年版 選定基準ガイド

Table of Contents

ITプロジェクトの35〜66%が一部または全面的に失敗する。Webサイトのリデザインでは約半数が当初のスケジュールを超過する。その原因のほとんどは、制作パートナーの選定ミスに遡ります。

2026年のWeb制作市場はかつてないほど多様化しています。フリーランスに30万円で依頼することも、ブティック型スタジオに500万円で委託することも、大手エージェンシーに5,000万円以上で発注することも可能。しかし価格だけでは、ビジネス成果を生むサイトを納品できるかどうかは判断できません。

本ガイドでは、Web制作会社を体系的に評価するためのフレームワークを提供します。

対象読者: CMO、経営者、マーケティング責任者、プロジェクトマネージャー。RFPの発行、提案書の評価、最終候補の選定を控えている方に最適です。


ポイントまとめ

  • ITプロジェクトの35〜66%が失敗する。主な原因はスコープクリープ、コミュニケーション不足、期待値のズレ
  • ブティック型(5〜20名)はシニア人材と直接やり取りでき、迅速なイテレーションが可能。フルサービス型(50名以上)は複合的なプロジェクトに強い
  • ポートフォリオのレッドフラグ:テンプレート依存、モバイル対応なし、実績に数値がない
  • RFPプロセスでは、制作会社に連絡する前にビジネス目標と成功指標を定義すべき
  • 費用相場は中小企業サイト200万〜750万円から、インタラクティブ・3D体験で750万〜3,000万円以上
  • ディスカバリーコールはポートフォリオ以上に相性を見極める場。プロセス、失敗経験、ローンチ後のサポート体制を確認

1. なぜ制作会社選びが最もレバレッジの高い意思決定なのか

1-1. 選定ミスのコスト

失敗したWebプロジェクトは予算だけでなく、チームの4〜8ヶ月を浪費し、市場投入を遅らせ、18ヶ月以内にリビルドが必要なサイトを生み出すことが多いです。

複合コストは深刻です。750万円のプロジェクトが失敗すると、リビルド費用・機会損失・社内工数を含めて実質1,800万円近くのコストになります。

1-2. 2026年の選定が難しい理由

AIツールの普及により、見た目が許容範囲のサイトを作れる制作会社は増えました。しかし、ビジネス指標を実際に動かす戦略的でパフォーマンスに優れたサイトを作れる会社は限られています。Bain & Companyの調査によれば、消費者の80%が検索の40%以上でAI生成のゼロクリック結果に頼っており、オーガニックトラフィックは15〜25%減少。Webサイトは「訪問する価値がある場所」でなければなりません。この変化についてはWebデザイントレンド2026で詳しく解説しています。


2. Web制作会社の4つのモデル

2-1. モデル比較

モデル規模費用目安向いているケース注意点
フリーランス1〜2名30万〜150万円シンプルなLP・ブローシャーサイト単一障害点、責任の所在が不明確
ブティック型5〜20名200万〜1,200万円カスタムデザイン、インタラクティブ、ブランドサイト大規模エンタープライズ案件には不向き
中規模エージェンシー20〜50名450万〜2,000万円EC、多ページプラットフォーム、システム連携小規模案件にはジュニアスタッフが配属されがち
フルサービス型50名以上750万〜5,000万円以上エンタープライズ、マルチチャネル官僚的なプロセス、高い間接費

2-2. ブティック vs フルサービス:本当のトレードオフ

ブティック型が向くケース:

  • シニアデザイナー・エンジニアと直接やり取りしたい
  • 3D、アニメーション、インタラクティブストーリーテリングなど特定スキルが必要
  • スピードとイテレーションが最優先
  • 予算200万〜1,500万円で1円あたりのクラフト品質を最大化したい

フルサービス型が向くケース:

  • SEO、コンテンツ、広告運用まで一括で依頼したい
  • 複数市場・多言語・複数プラットフォームにまたがる
  • 体系的なプロジェクト管理とレポーティングが必要
  • 予算1,500万円以上でスケーラブルなチームが必要

2-3. スペシャリスト型という選択肢

2026年には、どちらにも当てはまらないスペシャリスト型も台頭しています。Three.jsのような特定技術や、没入型ストーリーテリングのような特定アウトカムに特化したスタジオです。高度な技術が必要なプロジェクトでは、同じ予算でもスペシャリストがジェネラリストを上回ります。


3. ポートフォリオ評価:見るべきポイントとレッドフラグ

3-1. 強いポートフォリオの特徴

  • 専門領域内での多様性 — 全サイトが同じではないが、明確な得意分野がある
  • プロセスの文書化 — ケーススタディに課題・アプローチ・成果が含まれる
  • 直近の実績 — 12〜18ヶ月以内のプロジェクト
  • ビジネス成果 — 「コンバージョン40%向上」などの数値

3-2. 問題を予兆するレッドフラグ

レッドフラグ示唆する問題
全サイトが同じデザインテンプレート依存、カスタム設計力の不足
モバイル事例がないモバイル対応が後回し
ケーススタディ・数値がないビジネスインパクトを証明できない
2年以上前の実績のみチームや技術が変わっている可能性
自社サイトの読み込みが遅いクライアントサイトの最適化も期待できない

3-3. 効果的な評価方法

ポートフォリオは対話のきっかけとして使いましょう。制作会社に特定のプロジェクトを詳しく説明してもらい、以下を確認します:

  1. クライアントのビジネス課題は何だったか?
  2. どんな制約(予算、期間、技術)があったか?
  3. 「やらない」と提案したことは何か?
  4. 測定可能な成果は?
  5. 今ならどう改善するか?

4. ディスカバリーコールで聞くべき質問

4-1. プロセスと方法論

質問良い回答レッドフラグ
キックオフからローンチまでの流れを教えてください明確なフェーズ、マイルストーン、レビューサイクル「案件次第です」(フレームワークなし)
スコープ変更をどう扱いますか?文書化された変更管理プロセス「柔軟に対応します」(=境界がない)
この規模の案件の典型的なスケジュールは?フェーズ別の具体的な週数曖昧な約束や非現実的に短い期間
実際に担当するのは誰ですか?関連実績を持つメンバーの名前「ベストメンバーを」(具体名なし)

4-2. 多くの人が聞き忘れる重要な質問

  • 「うまくいかなかったプロジェクトについて教えてください」 — 失敗を語れない制作会社は、十分な複雑案件の経験がない
  • 「ローンチ後のサポート体制と費用は?」 — 多くの制作会社はローンチ後に姿を消す
  • 「この案件を断る理由があるとすれば?」 — どんな案件でも受ける制作会社はリスク
  • 「課題のあったプロジェクトのクライアントに話を聞けますか?」 — 順調なプロジェクトのリファレンスは無意味

5. 費用相場と隠れたコスト

5-1. 予算帯別の内容

予算帯含まれるもの含まれないもの
200万〜750万円カスタムデザイン、CMS構築、レスポンシブ、基本SEO高度なインタラクション、3D、多言語
750万〜2,000万円フルカスタム、高度UX、インタラクティブ要素フル3D体験、専任チーム
2,000万〜5,000万円以上インタラクティブ/3D体験、WebGPU、カスタムツールこの価格帯がほとんどのプロジェクトの上限

詳しい費用内訳はプレミアムWebサイト費用ガイドをご覧ください。

5-2. 見落としがちなコスト

  • コンテンツ制作(75万〜450万円)— 撮影、コピーライティング、動画制作
  • 保守運用(月7.5万〜75万円)— ホスティング、アップデート、セキュリティ
  • ローンチ後の改善(四半期30万〜150万円)— A/Bテスト、分析、改善
  • コンテンツ移行(30万〜200万円)— SEO維持を含む旧サイトからのデータ移行

6. よくある選定ミス

6-1. ポートフォリオだけで判断する

最も美しいポートフォリオが最良のパートナーとは限りません。ショーケース作品を作ったチームがすでに退職している場合もあります。

6-2. 価格を最優先する

最安見積もりが最も高くつく判断になります。不十分な予算はアクセシビリティ、パフォーマンス、テストの省略につながります。

6-3. リファレンスチェックを省く

3件のリファレンスを依頼し、実際に連絡を取りましょう。「納期は守られたか」「問題にどう対処したか」「もう一度依頼するか」を確認します。

6-4. 成功の定義をしない

プロジェクト開始前に成功の基準を言語化できなければ、納品の良し悪しについて合意することは不可能です。3〜5つの測定可能な成果を定義しましょう。


7. Utsuboについて

UtsuboはインタラクティブWeb体験、没入型インスタレーション、3Dブランドプロジェクトを専門とするクリエイティブスタジオです。大阪を拠点に、国内外のブランドと協業しています。

ブティック型スタジオとして、クライアントは制作を担当するメンバーと直接やり取りします。アカウントマネージャーを介さず、ジュニアスタッフへの引き継ぎもありません。

注力分野:

  • Three.js・WebGPUによるブランドWebサイト開発
  • スクロール駆動のストーリーテリングとインタラクティブモーション
  • ミニゲーム、ジェネラティブWeb体験
  • 全デバイスでの高パフォーマンス最適化

8. お問い合わせ

体験を提供するWeb制作パートナーをお探しですか?インタラクティブWebサイト、3Dショーケース、没入型デジタルプロジェクトでブランドをサポートします。

パートナーシップをご検討の場合、以下についてお話しましょう:

  • 構築したいものと現サイトの課題
  • 目標に合ったアプローチ(アニメーション、インタラクティブ3D、没入型体験)
  • Utsuboが適切なパートナーかどうか

プロジェクトのご相談はこちら

メールでのお問い合わせ:contact@utsubo.co


制作会社選定チェックリスト

  • 制作会社に連絡する前に3〜5つの測定可能な成功指標を定義する
  • プロジェクトタイプを決定する(コーポレート、EC、インタラクティブ)
  • 予算帯フレームワークで現実的な予算範囲を設定する
  • ブティック型・中規模・フルサービス型を選ぶ(安心感ではなくプロジェクト要件で)
  • 直近12ヶ月の関連ポートフォリオを持つ3〜5社をリストアップする
  • ポートフォリオのライブサイトを確認する(スクリーンショットではなく)
  • 質問フレームワークを使ってディスカバリーコールを実施する
  • 3件のクライアントリファレンスを取得し、実際に確認する
  • 加重スコアリング評価表で提案書を評価する
  • 担当チームが誰かを確認する(ピッチに出た人ではなく)
  • ローンチ後のサポート条件・費用・レスポンスタイムを確認する

よくある質問

ブティック型とフルサービス型のWeb制作会社はどう違いますか?

ブティック型(5〜20名規模)はカスタムデザインやインタラクティブ体験、Three.jsのような特定技術に強く、シニアスタッフと直接やり取りできます。フルサービス型(50名以上)はWeb・SEO・コンテンツ・広告を一括対応でき、複数市場をカバーします。会社の規模ではなくプロジェクトのスコープに合わせて選びましょう。

2026年のWebサイト制作費用の相場は?

CMS付きカスタムデザインサイトで200万〜750万円。ECプラットフォームは450万〜1,500万円。インタラクティブ・3D体験は750万円〜3,000万円以上。コンテンツ制作、移行、保守運用など隠れたコストとして20〜30%の上乗せも見込みましょう。詳細はプレミアムWebサイト費用ガイドをご覧ください。

Web制作会社選びで注意すべきレッドフラグは?

要注意サイン:ビジネス目標を聞かずに見積もり(テンプレート販売)、全サイトが同じデザイン(テンプレート依存)、実績に数値がない(効果を証明できない)、営業段階でレスポンスが遅い(契約後はさらに悪化)、プロジェクト要件に関係なく特定プラットフォームを推す(技術バイアス)。

Web制作プロジェクトの一般的な期間は?

マーケティングサイトで4〜8週間、CMS付きコーポレートサイトで8〜12週間、ECサイトで10〜16週間、インタラクティブ・3D体験で12〜20週間。リデザインの約半数が納期超過するため、20〜30%のバッファを設けましょう。

制作会社に予算を伝えるべきですか?

はい。制作会社は予算に合わせてソリューションを設計します。予算を隠すと、過小なスコープか過剰な提案が返ってきます。正確な金額ではなく範囲を共有すれば、制約内での最適な提案を引き出せます。

ディスカバリーコールで何を聞くべきですか?

まずプロセス:「キックオフからローンチまでの流れを教えてください」。次に深堀り:「うまくいかなかったプロジェクトの経験を聞かせてください」。自社案件について:「誰が担当し、どんな関連実績がありますか?」。最後にフィット感:「この案件を断る理由があるとすれば何ですか?」

ポートフォリオの正しい評価方法は?

スクリーンショットだけでなく、実際のサイトにアクセスしてモバイル表示や読み込み速度を確認。ケーススタディを詳しく説明してもらい、ビジネス課題・制約・成果・改善点を聞きましょう。全サイトが同じに見える場合はテンプレート利用の可能性があります。直近12〜18ヶ月の実績を重視してください。

Webサイトのリデザインとリビルドの違いは?

リデザインはビジュアル層(レイアウト、UX)の更新で既存技術を維持します。リビルドは技術スタック全体の刷新(新CMS、新コードベース、新ホスティング)です。リデザインは200万〜750万円・6〜12週間。リビルドは450万〜2,000万円以上・10〜20週間。成長目標を現サイトで達成できないなら、リビルドの方が良い投資です。

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